1-3 入院時食事療養費・入院時生活療養費・保険外併用療養費


入院時食事療養費

平成18年4月1日から入院時の食事の負担が、1日単位から1食単位に変更されました。
これは、医療機関で提供される食事の内容が変わるものではなく、食事の負担額について、食数に関わらず1日単位で計算していたものを1食単位の計算に変更するものです。

  1. 被保険者が病気やけがで保険医療機関に入院したときは、療養の給付とあわせて食事の給付が受けられます。

  2. 入院期間中の食事の費用は、健康保険から支給される入院時食事療養費と入院患者が支払う標準負担額でまかなわれます。入院時食事療養費の額は、厚生労働大臣が定める基準にしたがって算出した額から平均的な家計における食事を勘案して厚生労働大臣が定める標準負担額を控除した額となっています。


    入院時食事療養費は、療養費となっていますが、保険者が被保険者に代わって医療機関にその費用を直接支払うこととなっており、患者は標準負担額だけを支払うことになります。

  3. 標準負担額は、平均的な家計の食費を勘案して厚生労働大臣が定めることとなっています。また、住民税非課税世帯と標準負担額の減額を受けなければ生活保護法の要保護者となる世帯(以下、低所得世帯という)の人及び市町村民税の非課税世帯に属し、かつ所得が一定基準に満たない方(70才以上の高齢受給者に限る。)については、次のようになります。
    また、標準負担額など食事療養費に要した自己負担額については、高額療養費の対象から除外されることとなっています。
    なお、1日の標準負担額は、3食に相当する額を限度とします。

    一般の方 1食につき 460円難病患者、小児慢性特定疾患患者の方(住民税非課税世帯を除く)1食につき 260円住民税非課税世帯の方1食につき 210円住民税非課税世帯の方で過去1年間の入院日数が90日を超えている場合1食につき 160円住民税非課税世帯に属しかつ所得が一定基準に満たない70才以上の高齢受給者1食につき 100円
  4. 標準負担額の軽減措置を受ける場合は「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」に被保険者証と低所得の証明書を添付して、全国健康保険協会の都道府県支部に提出します。申請が認められると「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証」が交付されますから、被保険者証と認定証を医療機関の窓口へ提出することで標準負担額の軽減措置がうけられます。
    低所得の証明は、低所得者世帯(住民税の非課税世帯)の人については、住所地の市区役所または、町村役場等で証明を受けた住民税の非課税証明、所得が一定基準に満たない場合は非課税証明に給与や年金の源泉徴収票、生活保護法の要保護者については、福祉事務所長が行う標準負担額認定該当の証明が必要となります。

入院時生活療養費

 介護保険との均衡の観点から、医療療養病床に入院する65歳以上(注1)の者の生活療養(食事療養並びに温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養をいう。)に要した費用について、保険給付として入院時生活療養費を支給されることとなりました。
 入院時生活療養費の額は、生活療養に要する平均的な費用の額を勘案して算定した額から、平均的な家計における食費及び光熱水費の状況等を勘案して厚生労働大臣が定める生活療養標準負担額(所得の状況(※1)、病状の程度、治療の内容その他の状況をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に軽減して定める額)を控除した額となっています。
 被扶養者の入院時生活療養にかかる給付は、家族療養費として給付が行われます。

入院時生活療養費計算式の図

※1 所得の状況をしん酌して負担額が軽減される者

低所得者Ⅱ(住民税非課税世帯)
低所得者Ⅰ(年金額80万円以下等)

■生活療養標準負担額

区分食費〈1食につき〉居住費〈1日につき〉
課税世帯医療区分Ⅰ(Ⅱ・Ⅲ以外の方)460円(420円)※2370円
医療区分Ⅱ・Ⅲ(医療の必要性の高い方)460円
難病患者等260円0円
低所得者Ⅱ(住民税非課税世帯)210円370円
低所得者Ⅰ(年金収入80万円以下等)130円370円

※2 管理栄養士等を配置していない保険医療機関に入院している場合は420円です。
注1 医療療養病床に入院する65歳以上の方の光熱水費の負担については、厚生労働省ホームページでも情報を掲載しております。

平成29年10月から医療療養病床に 入院する65歳以上の方の光熱水費の負担が変わります (mhlw.go.jp)

保険外併用療養費

 健康保険では、保険が適用されない保険外診療があると保険が適用される診療も含めて、医療費の全額が自己負担となります。
 ただし、保険外診療を受ける場合でも、厚生労働大臣の定める「評価療養」と「選定療養」については、保険診療との併用が認められており、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われ、その部分については一部負担金を支払うこととなり、残りの額は「保険外併用療養費」として健康保険から給付が行われます。
 また、被扶養者の保険外併用療養費にかかる給付は、家族療養費として給付が行われます。

【評価療養】

  • 先進医療(高度医療を含む)
  • 医薬品の治験に係る診療
  • 医療機器の治験に係る診療
  • 薬事法承認後で保険収載前の医薬品の使用
  • 薬事法承認後で保険収載前の医療機器の使用
  • 適応外の医薬品の使用
  • 適応外の医療機器の使用


【選定療養】

  • 特別の療養環境(差額ベッド)
  • 歯科の金合金等
  • 金属床総義歯
  • 予約診療
  • 時間外診療
  • 大病院の初診
  • 小児う触の指導管理
  • 大病院の再診
  • 180日以上の入院
  • 制限回数を超える医療行為

《例》
 総医療費が100万円、うち先進医療に係る費用が20万円だった場合

  1. 先進医療に係る費用20万円は、全額を患者が負担します。
  2. 通常の治療と共通する部分(診察、検査、投薬、入院料*)は、保険として給付される部分になります。
保険給付分*=80万円(10割)7割にあたる56万円が各健康保険制度から給付。
3割にあたる24万円が患者の一部負担金。

上記に係る例図
※保険給付に係る一部負担については、高額療養費制度が適用されます。

000861354.pdf (mhlw.go.jp) 先進医療A費用

【先進医療A】
告示
番号
令和3年6月30日時点における先進医療に係る費用
令和3年度実績報告(令和2年7月1日~令和3年6月30日)

先進医療費用平均 118万 → 全額自己負担

その他医療費用平均 69万 → 3割負担 20万 →高額療養費制度が適用

000861355.pdf (mhlw.go.jp) 先進医療B費用

【先進医療B】
令和3年6月30日時点における先進医療に係る費用
令和3年度実績報告(令和2年7月1日~令和3年6月30日)

先進医療費用平均 37万 → 全額自己負担

その他医療費用平均 74万 → 3割負担 24万 →高額療養費制度が適用

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